八重桜の花びらのような感じを、見ていただきたかったので、背景を濃くしてみた。そのぶん、うっすらと紫いろに染まっているようすが、わかりにくくなっているけれど。
水晶の結晶といえば、ふつうは柱状のものが密集しているものだが、これは、こんなふうに薄く、花のようにひらいている。
冬越しするたんぽぽの葉のロゼッタのごとし。縁(へり)のところは、レースの衿(えり)飾りの風情だ。
直径は4センチほど。氷の華か、スワロフスキーのクリスタルを手にのせているような繊細さと軽さ(でも石だから、氷や硝子よりはずっと堅牢)。この標本のようにかたちのよいものは、なかなか見つからない。
同じ標本のライティングを変えた画像。全体にピンクがかっているのは、ライティングの色味で、濃くなっているところが紫に染まっていると思ってほしい。
このように、光の具合で、さまざまな表情を見せてくれるのも鉱物の魅力。