少し古い話だけれど、
先月、高崎に出かけた帰りの新幹線の車窓から、
スカイツリーが見えた。
(なまで、見るのははじめて)
巨大建造物を見るのは好きなのだが、
話題沸騰のスポットをわざわざ見に出かける趣味はないので、
現地には行っていない。
先日、テレビ東京の番組でスカイツリーの建設現場をかいま見ることができた。
『三日月少年の秘密』を書いているとき
東京タワーの建設当時の町の人々は、
どんな思いでタワーが少しずつ伸びてゆくのを見ていたのか、
古老にたずねて、生の声を知りたい、
作業にたずさわった人の声を聞きたい、と思ったものだけれど、
文献も映像資料も少なかったので、
やはり自分で風景や情況をつくりだすしかなかった・・・
後世の人々がスカイツリーの建設当時のことを知りたいと思ったときには、
やまほど、情報があつまることだろう。
高圧電線のケーブルを架ける人もそうだが、
軽々と高所作業をする人たちには、
ほんとうに、おどろかされる。
東京タワー建設現場の数すくない映像のなかにも、
とびの人たちが、どう見ても命づななしに、
はっぴに地下足袋スタイルで、
高所の鉄骨を渡りあるいている姿が残っている。
スカイツリーの建設現場でも、
安全ベルトを装備しているとはいえ、
地上のように歩いているのは、おどろきだ。
しかも、あきらかに若い感じのとびのお兄さんではなく、
中年以上に見える人々がほとんどなのにも、びっくり。
番組内でタワークレーンの威力を逐一解説してくれたのも
おもしろかったけれども、
結局は、高所をものともせず、
地上のように動きまわれる人々の技によって、
つくられるものなんだ、と実感。
中心部に非常階段がつくられるらしい。
すると、階段からは、
東京タワーのように外の景色は見えないわけだ。
スカイツリー完成後のイルミネーションの
CG映像も放送された。
現存するどのタワーの照明ともちがった
とても洗練された配色で、
(あるいは、地味と思われる懸念もあるのに)
これを採用したのは、
昭和のあいだじゅう、狂いに狂った
日本人の色彩感覚が、すこしずつ修正されているということかも?
しかし、
完成しても、当分は大混雑で近づけそうもない。
(人込みもならぶのもきらいだから)。