受信料をとる某放送局の、
報道番組に登場する記者の人たちの名前は、
まるで珍姓のカタログのよう。
左右(あてら)さんだの、
三日月さんだの
太(ふとし)さんだの。
先日は秋さんという人が登場した。
音声では「あき」さんと聞こえる。
だが画面には見慣れない文字が出ていた。
もう一度、よく見ると、
秋という字のヘンとツクリが左右反転している。
火ヘンに禾なのだ。
辞書には、それが「秋」の本字であると記されていた。
(本字とは、より原初的であるという意味)
そんな字があるとは、知らなかった。
白川静せんせいの「字統」をひらく。
秋の正字はなにやら複雑だ。
禾ヘン+
脚をうごめかしている虫の下で
火が燃えている、ツクリ。
作物そのほかに、虫害をなす虫を焼いているところだそうだ。
なるほど・・・。
正字のツクリの部分は、
老眼の視力では、
拡大してもよくわからないほど、
こみいっている。
ああ、でも虫がいるのは確かだから、
凝視しないほうがよさそう。