これは、ずっとまえに香港で買ったターキッシュ・デライトのパッケージ。
イギリス人好みのお菓子として、また、このうるわしいラベルの箱があるのも以前から知っていたが、実物は香港ではじめて目にした。
大喜びで買いこみ、日もちがしそうもなかったので、さっそくホテルで試食を。
ひとことで云えば、おいしくない(笑)。求肥(ぎゅうひ)にちかいが、もっとモソモソしていて、奇妙に甘いもの。しかも、ローズ&レモンフレーバーときている!
ところで、なんで今ごろこの箱をひっぱりだしてみたかといえば、数日まえのこと。ニュースを見るつもりでテレビをつけたら、「ナルニア国物語」を放送していた。このファンタジーを映画で見るという発想はまるでなかったため、このときはじめて目にした。
「ナルニア」に関しては、原作でも箪笥と、そのなかにある雪景色の森にしか興味がないので、そこさえ、まともなら、わたしはOKである。さすがは、ファンタジーの見せどころを心得たディズニー映画。子どもではなく、箪笥が主役だと、よくわかっているつくり。
箪笥の登場場面が、原作とちょっとちがうこともふくめて、わたしにはかなり満足のゆく導入部だった。
問題はそのあと。ずっと昔に読んだまま、再読もしていない「ナルニア」だけれど、エドマンドが女王(魔女)にふるまわれるお菓子はプリンだってことは、よくおぼえていた。雪のなかで食べるプリン。
・・・・・・ではなく、ターキッシュ・デライト!!
なんてことは、この映画が封切りされたときにとっくに話題になっていたのだろうけど、今ごろ見たのだからしかたがない。ネットで検索したところ、当時の子どもにはターキッシュ・デライトではなんのことやらわからないということで、プリンと意訳したそうだ。
でも~。プリンとターキッシュ・デライトはちがいすぎる。マシュマロのほうがまだ似ていたのでは、と思うなあ。食糧難の戦時中に、子どもがなにより欲しいお菓子がターキッシュ・デライトだなんて、イギリス人の味覚って、どうかしている。
パッケージはうつくしい。