
フランスで、もともとbaba(アリ・ババにちなんで)と呼ばれていた焼き菓子に、ラム酒シロップやクリームをそえてサヴァランと名づけたらしい。
丸の内のヴィロンでbabaをたのむと、、オレンジの皮いりのラム酒をいっしょにもってきてくれる。
わたしは、酒類に弱いのだけれど、これはとっても香りがよくて、ふりかけずにはいられない。至福のとき。
秋はモンブランで、と思いつつ、なぜかbabaをたのんでしまう。
ショップのほうで、クイニー・アマンやパン・オ・レザンを買って帰る。
これがまた、おいしい。
もより駅から、電車に乗って快速で45分で東京駅着。とはいえ、たびたび行くのは遠いのだが、このところ、「義兄と私」のシリーズを書くにあたってのビジネス書の研究と、サラリーマンの観察をするために、よく丸の内に出かけている。
ふと、気づけば、
会社勤めの人の平均年齢より上になっている自分がいる・・・。
同年代以上の会社員は無礼な印象の人間が多いけれど(とくに男性)、若い人々はおおよそ礼儀正しい(とくに男性)。
考えてみれば、「義兄と私」もそうとう若い。
「義兄」は、1975年生まれ。「私」は1982年生まれ。
ちょうどきのう、平均株価が26年まえの水準になったというので、さかんに1982年のニュース映像を流していたが、ああ、思いだした。
なんのことはない。わたしはあの年に就職したのだった。
景気のことは、まるで気にしていなかったけれど、はっきりおぼえているのは、現在とは金利がまるでちがっていたこと。
なけなしの給料やボーナスでも、社内預金にあずけておけば、1年後には万の単位でふえたのだった。
「義兄と私」のシリーズ第3作「北風ふいて、雪がふったら」は小説現代12月号に掲載。あわせて、巻頭モノクログラビアにクリスマスカード&ショートストーリィも。
ご一読を!