裁判員制度のことをもう少し。
政府主導のCMなどが、さかんに流れるようになった。まじめな人は裁判員制度のことを知ろうと思って陪審員制度とかんちがいし、ヘンリー・フォンダ主演の名作『12人の怒れる男』なんて映画のDVDを見ているかもしれない。
それ、おおいなるまちがいだからね(たんなる映画鑑賞なら問題なし。密室劇の傑作だ)。
なぜなら、これからはじまろうとしている裁判員制度は、陪審員制度とはまったく異なるものだから。
このちがいを認識していないと、たいへんなことに。
そういう人は、さきにご紹介した『裁判員制度の正体』という新書を一刻もはやく読むように。
青年貴族探偵ピーター卿とその忠実な執事が活躍するドロシー・セイヤーズのミステリー小説で、陪審員のイメージをかためている人も、それは陪審員のことであって、裁判員ではないことにご注意を。
そのうえで、陪審員についてもっと知りたいと思う人に、オススメなのがこの『シリアル・ママ』(1996年アメリカ製作)という映画。
マニアックな映画なので、DVDの入手が困難かも(そもそもないかも)しれないが、陪審員が話題になっているきょうこのごろなので、そのうちテレビなどで放送されるかも。
たいへんブラックな映画で、陪審員制度の危うさを知ることができる。