とうとう2月になった。ひと月おくれの正月気分を味わいたいところだが、やはりあまりのんびりできない。睡眠時間がややまともになったくらいだ。
きさらぎといえば、思い起こすのは西行の歌。
ねがはくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ
これは旧暦なので、今でいえば3月の終わりごろの、桜が咲きはじめる季節のことだ。新暦2月では、東京ではまだ梅も咲かない。ジンチョウゲがようやく、かたいつぼみをつけている。水仙はよく咲く。
わが家の西どなりの、ちょっとした緑地に植えられた水仙が、ブロック塀の穴あきブロックのすきまから顔をのぞかせ、わが家の水仙が咲くあたりをのぞきこんでいるように見えるのが、なんだかおかしい。
となりの庭が、よiいところに思えるのか?日当たりは、たいして変わらないのだが。
まもなく立春をむかえる。
けれども、まだまだ寒い。花も咲かない。
それでも、土佐水木(トサミズキ)の花芽がふくらんでいる。わたしの好きな、黄色い花が咲く季節がまもなく訪れる。
とはいえ、わが家の庭には、ロウバイもマンサクもミツマタもない。散歩のとちゅうで、よその家の庭に咲くのを、鑑賞するのがたのしみである。
近くをながれる野川(という名称であって、野のなかを流れているわけではない)ぞいの遊歩道を、歩いて歩いて長い散歩をすると、ちょっと落ちついた雰囲気のカフェにたどりつく。
そこでコーヒーをいただきつつ、本を読む静かな時間を過ごすのがたのしみなのだが、30分ほど歩くので、北風の季節は足が遠のく。
散歩にふさわしい季節のおとずれを待っている。