
空豆と独活(うど)が店さきにあった。春だなぁ、と思い、さっそく買いこんで、炊きこみご飯にした。炊いているあいだにも、香ばしくたちのぼる空豆。
独活は、ご飯に炊きこむと、しんなりとなって、とてもおいしい。皮も食べることができて、捨てる部分のない独活は、まことに、すぐれた野菜だ。
独活を食べたことのない人や、どう調理してよいのかわからない人は、まずは炊きこみご飯をおすすめする。
(三つ葉だの、セリだの、シュンギクだのといった香りのする葉ものが苦手な人には、むろんおすすめしない)
皮をむいて、身のところを、お好みの長さ(分量も)で千切りにする(皮はあとで、きんぴらにする)。だし、醤油、酒、塩でつゆをこしらえ(わたしは汁と書くのが好きではないので、汁のことを、つゆと書く)、あらかじめ少しだけ煮て、味をなじませる(冷ましておく)。
炊飯器で炊くときに、米と、冷ましておいたウドと、分量の水のかわりに冷ましておいたつゆをいれて(わたしは、ここでまた、だし昆布をほうりこむ)、あとはスイッチを押すだけ。
空豆をくわえるときは、これもあらかじめ茹でて、皮をむいておいたのを、炊くときにまぜる。
独活の皮は、きんぴらに。千切りにして、醤油、酒、みりん、ごま油で、炒める(わたしは、耐熱容器に調味料ごといれて、電子レンジで)。
芽のところは、天ぷらにしてもよいし、セイロ蒸しにしてもよい。むろん炊きこみご飯にまぜてもよい。
ともかく、ほとんど全部食べつくすことができ、春のかおりに満ちた独活は、すぐれた野菜だと思う。