きのう、見本をうけとりました。サイン本については、いつもどおり耳猫風信社の通販ページをご覧ください。
今回は、改造版「少年アリス」のさいにも、文藝に書評を書いてくださった陣野俊史さんに解説をお願いしています。わたしにとっても、謎を解く手がりとなる、大切なことを指摘してくださいました。
小説に不可欠であるとされる「内面」と世相の関係性について。
担当の編集者とも、これまで多くの専門家(と、名乗る人々)が、たんに「心の闇」として片付けていたものの正体(真の姿)について話していたところでしたので、奇しくもそのヒントが記されているとわたしは読みました。
陣野さんも文中に書いておられるとおり、「八〇年代に学生だった者」は今、それ以外の時代に学生だった(あるいは現役の)圧倒的多数の人々の意識のあいだで、孤立しているように思われます。
ですが、考えをあらためようとは思いません。だからこそ、今、書かなければいけないのだと、気負うことはあるとしても。
「新学期」の単行本が出たのは’95年ですが、しばらく文庫本にならなかったことについて深い理由はありません。編集者もわたしも、とっくに文庫にしたと思いこんでいただけです。
カバーは単行本のときのイラストを生かして、あたらしいイメージにしあがっています。デザイナーの松岡さんが、今回も巧みの技を駆使してくださいました。