まずは、ピンク色の柘榴石。
さくらんぼくらいの大粒で、とっても存在感がある。
それになにより、このピンク色。淡すぎず、濃すぎず。ちょっと色褪せたかな、というくらいのピンクがまた味わい深い。
そうそう、オールドローズという、ふさわしい色名がある。ひきだしのなかや、小筐(こばこ)のなかに、長くしまっておいたものを、ふとした拍子(ひょうし)に見つけて、心が和むような。そんな色合いだ。
こちらは母岩つきの柘榴石。
コショウ粒くらいの小さな柘榴石が、たくさんうずまっている。
チェリーピンクの甘酸っぱい小粒のキャンディという感じだ。
もう少しスケールを大きく想像してみると、曇りがちの天のもとで紅の濃い、おつな桜を愛でているような気分にもなれる。
灰かぶり、という風情もあり。