鳥たちの子育ての季節になった。
人間の目には、道ばたに落ちている(ように見える)ヒナを発見することがある。だが、それは(りっぱに)巣立ちしたヒナなので、さわってはいけない。
人間のニオイがつくと、親鳥に見放されてしまうこともある。
巣立ちしたのちにすぐ、エサを自分で確保できるわけではなく、しばらくは親鳥にエサをあたえられて育つ。道端のヒナのすぐそばには親鳥がいるはずなので、ヒナを見つけたら、できるだけはやく遠ざかってほしい。
ところで、ここ数日〈人工衛星〉よりも気になっていた、アフリカハゲコウ。
鎮静剤入りのアジを吐き出した、というニュースを耳にしたときは、大型の鳥の賢さを再認識したが、高圧電線にふれるなどの事故があるまえに無事保護されて、安堵した。
それにしても、佐渡から本土へ渡ったトキも、アフリカハゲコウも♀。
現状のパートナーに満足せず、繁殖にふさわしい相手をもとめて旅に出たにちがいない。
飼い鳥の♀が逃げだすのも、たいていこの季節。
♂の飼い鳥はどうかといえば、
たとえばわが家のセキセイインコ♂は、なわばり(と、本人がさだめている範囲がある)に、点々といくつか配置した仮想♀であるティッシュペーパーをまるめたものを順にめぐり、ひとつずつ、「乗っかって」忙しそうにしているが、窓の外でのぞいている野鳥(ヒヨドリなど)には、まったく関心がなく、外へ行く気もない。
窓をしめきって部屋で遊ばせているけれど、たぶん窓があいていても、外へは出ない。
家のなかは、どの部屋へも行き来できるよう仕切りを開放している。にもかかわらず、本人がなわばりとさだめた範囲を出ることはない。その厳密さに、あきれるやら、感心するやら。