
賢治取材で、花巻と小岩井農場へ。
小岩井農場へ出かけた日は、梅雨どきとは思えないほどよく晴れた。
岩手山のまわりには雲があり、山裾しか見えなかったのは残念であったが。
新幹線の座席においてある冊子(トランヴェール)の7月号で、ちょうど賢治の特集が組まれている。
(小岩井農場の天文台のイラストが表紙)
この特集でも解説をしている天文台館長がいらしたので、鉱物や植物のことを教えていただいた。
小岩井周辺でも宅地化がすすみ、春夏の星空観察はなかなかたいへんであるとのお話しだった。
(夏の星座や天の川を日没直後に見ようとした場合)
天文台のテラスにデッキチェアがならんでいるが、夜間の星空観察会のときに使用するものだそうだ。
花巻に家がある賢治は、小岩井農場まで徒歩でやってくるわけだが、いったいどれだけ歩くのだ、という距離。わたしは近ごろ歩数計を持ち歩いているものの、一日中外にでかけてよく歩いた日で、ようやく1万歩を越すていど。距離にして5キロほどだ。
賢治はおおよそ、その10倍の50キロぐらいは平気で歩き通す人であったようだ。
賢治の好きな早池峰山で、蛇紋岩がよく採れる。その一帯の地形が、どのような地殻変動によって生まれたものであるか、「トランヴェール」において、興味深い記事になっている。
蛇紋岩をふくむ地層は、ゴンドワナ大陸(かつてオーストラリアのあたりに存在した巨大大陸)がアジア大陸と衝突したさいに、最深部にあった地層が隆起してできた付加帯であるそうだ。
南部北上地域は、ゴンドワナ大陸の断片であり、日本列島より古い地質であるとのこと。
最新号のことを、あまりこまかくは書けないので、興味のあるかたは「トランヴェール」をどうぞ。
今回は時間がなくて立ちよれなかったが、県立博物館にもいろいろ資料がありそうだ。次回はのぞいてみたい。
小岩井農場は、
とにかくひろい。栗の花盛り、あたりは栗の花の匂い(ときどき動物のにおい)。
観光化されたスポットには、ほとんど用も興味もない。食事休憩するのみ。
あとは、賢治の時代からある風景をもとめて散策した。
草地に黄色のトンボがいた。なまえはわからず。黄色のトンボははじめて見た。
この小岩井農場一帯は、かつて湿地だったそうだ。
とほうもなく広いので、農場内の移動は徒歩ではなく車にて。
アブがたくさんいた。 刺されないよう気をつけて、タクシーのドライバーにうながされ、はじめてアブがそこらじゅうにいることに気づいた。
さすが、農場だ。
晴れてなにより。わたしは雨女だが、編集者は強力な晴れ女であったのだろう。