古色がかった瓶(びん)入りの岩塩
単結晶の上質のものは見つけにくいと云われる。
この標本は、角砂糖なみのキューブで、
氷なみに透明度が高く、しかもたいへん古い。
(保護用の綿にはさまっている。真ん中の透徹ったものが岩塩)
すこし、ロマンティックすぎる画像ではあるが。
時代を感じさせるラベルがついている。
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手書きの文字を目を凝らして読んでほしい。
鉱物の鉱や、名称の称が旧漢字になっている。
昔の人は、こんなに画数の多い漢字を日常的に使っていたのだ。
鉱という字のつくりは、昔は15画もあり、称のつくりは9角だった。
それぞれ、現在は5画である。
鹵石類は、ろせきるい、と読む。
鹵(ろ)は塩のこと。部首のひとつでもあり、
石鹸(せっけん)と書くときの鹸の字のヘンになっている。
この字、歯とおなじだと思いこんでいる人がいると思う。
わたしも学生のころはそうだった。
瓶から取りだして撮影をしなかったので、かんじんの岩塩の結晶がわかりにくが、
云うまでもなく、これは瓶ごと楽しむ標本である。