今回は、青い鉱石の標本をまとめてご紹介する。
本来は、一点ずつ、じっくりご覧いただく価値のある、
とっても、麗しい標本ばかり。
まずは、さまざまな青のバリエーションを堪能できる、
豪勢な天藍石(てんらんせき)。
またの名をラズライト。
絵の具で描くさいに、紺色をきれいに発色させるのは
たいへん苦労するところだが、
この標本の紺色は、うっとりするほど。
宝石店のウィンドウに飾られている古風なブローチのような風情。
カシミアのセーターの胸もとに、きっと似合うにちがいない、と
そんな連想をしてみたくなる。
おつぎは、青い結晶が魅惑的なカバンサイト。
サーカス団員の衣裳に縫いつけられた、ポンポン飾りのような、
青い房状の結晶が、あざやかな標本だ。
むろん、チョコレート生地に砂糖衣(さとうごろも)をつけて、
ミントで青く染めた砂糖をキャラメリゼした
クリスマスのスイーツとも、見立てることができる。
これはまた、青い地図とも呼びたいクリソコラ。
さらに水晶の結晶が、
浜辺に打ちよせられた宝もののように、
点々としている。
洞窟をのぞきこんでみると、
奥底で、光るものがある。
だれにも云わない、宝ものを見つけた、と
思える標本だ。
11月はご紹介する標本が盛りだくさん。
小休止をはさみつつ、
まだまだつづく。