出店のうわさを耳にして以来、
ずっと気になっていた〈エシレ〉に、ようやく立ちよることができた。
お菓子づくりのバターといえば、発酵バター。
その発酵バターの代名詞ともいえるエシレの製品を、
東京にいながら店頭で買うことができるようになろうとは。
この青い箱。
フランスでは、青が乳製品のシンボルカラーとなっている。
立ち寄ったのが午后だったので、
名物のクロワッサンは売り切れでありつけなかったけれど。
朝10時の開店のときにのみ、店頭にならぶ、と
告知があった。
午后でも店の前には行列ができていて、
入店する人数を制限するためのドアマンがいる!
日ごろは、行列ぎらいで、
行列してまで買うことはない、と思うわたしも、
扉がひらくたびに、バターが香るので、
立ち去りがたく、列へならぶことに。
待つこと十五分。
青い紙箱は、焼き菓子のギフトボックスで、
5個入りと、10個入りがある。
おなじみ帆立て貝型のマドレーヌと
黄金ののべ棒型のフィナンシェのセット。
エシレの発酵バター100%のマドレーヌは、
外はカリッと香ばしく、
生地はしっとり。
ふつうのマドレーヌは、口にふくんだときに香料の風味を
さきに感じるのだけれど、
これは、
まずはじめに、しっとりとした口あたり。
ついで、香りゆたかなバターをつかった生地の味わいが、
ふわふわと口のなかにひろがる、という感じ。
良質なバターをつかったお菓子は、
2日目、3日目もおいしく、焼き立てとはことなる味わいを
たのしむことができる。
だから、少しよぶんに買ってきても大丈夫。
小さいカップは、
発酵バターのポーションタイプ。
パンを焼くときにつかおうと思って、無塩のを買ってきた。
フィナンシェを味わいつつ、
まさに黄金のバターだなあ、と。