Scope作家の桑原弘明さんの作品展が開催中である。
銀座スパンアートギャラリーにて。
12月26日(土)まで
金属のソリッドなフォルムのなかに、
極小で繊細な世界が閉じこめられている。
広義の万華鏡であるのだが、
「のぞきからくり」の雰囲気に近い。
ただし、そこにあるのは、
手のひらにのる函のなかで展開される高密度な部屋だ。
スコープの向こうには、細密な室内の情景とともに、
時間も凝縮されている。
函の外からライトをあてることによって、
朝、昼、夜の、それぞれの景色があらわれる。
このたびの作品展にあわせて、
作品集も刊行された。
意識のどこかにしまわれていた部屋の記憶がよみがえる。
毎年年末にひらかれる桑原さんの作品展で新作を拝見するのが、
わたしにとっての、年越しの行事となっている。