コニカルコ石
耳なれない名のこの標本は、砒素をふくむ硫酸塩鉱物である。
緑色の部分がそれで、
霜がおりて凍ったような結晶は方解石。
宮澤賢治は、凡人が思いつかないような、独特の色の名称をもちいた。
パリスグリンも、そのひとつ。
緑をあらわす色らしい、と想像はつくものの、
はっきりとはわからず、それでいて強く印象にのこる。
「宮澤賢治語彙辞典」(原子朗 著)によれば、
賢治の生きた時代に「パリスグリーン」という名の殺虫剤があったとのこと。
パリスグリンとならんでつかわれるロンドンパープルも殺虫剤の名称だそうだが、
具体的な人物を思い浮かべる人もいるだろう。
というわけで、毒物をふくむ鉱物だが、
おとなが手でさわるぶんには問題はない。
(と思うが、繊細な結晶でもあるので、その意味でもあまりさわらないほうがよい)。
菱マンガン鉱&珪灰鉄鉱
これは、ピンク色の結晶が菱マンガン、おこげのようなのが珪灰鉄鉱、
それに水晶がくっついている。
標本としてのメインは、珪灰鉄鉱だ。
おこげが、かんじん。
そう云われると、
なにやらおこげのご飯に、たらこを炒ってまぶしたような気がしてくる(笑)
小ぶりの標本だが、なかなかたのしい。
べつの角度で撮影したもの。
いい具合にこげている(笑)