といって休業できたらいいのに、
実際は締め切りが迫っていて原稿に追われ、
ブログの更新もままならず。
今、資料として読んだり、参考にしたりしている本が、
机と床にひろがっている。
必要なページをひらいておくために、べつの本を「重し」にしているので、
なおさら、冬の蝶がそこらじゅうで仮眠しているような状態。
(幻想的に表現すればの話。実際は、本が重なりあってちらかっているだけ)
椅子にすわったまま、それらの本が読めるわけではないので、
必要が生じるごとに本の近くにしゃがんで、目を凝らすか、
机までもってきて読み、
またもとへもどす。
一日じゅう、そんなことをしている。
何を書いているのかといえば、
ペンギンやペリカンが屋上にいたころの、
昭和のデパートのことをエッセイ風に書いていて、
これは『お菓子手帖』のようなかんじになる予定。
80年代以降に生まれた人は、
デパートが船か城のようであった時代のことは、
まったく想像がつかないと思うが、むかしはそんなふうだった。
銀座のデパートの屋上からは海が見える。
大理石の階段やシャンデリアがある。
窓はロマンシェードで飾られ、白い鳩がいて孔雀がいて、
真っ白なアイスクリームや色とりどりの砂糖菓子が
そこかしこにならんでいたら、
子どもにとって、そこはもう「お城」だ。
ただし、代価が必要(笑)。
それは子どもにもわかる。
欲望と闘う試練の場でもあった……。
銀の皿にのったアイスクリーム(ウエハースつき)で幸福になれたのだから、
まあ、よい時代であったということだ。