コバルトカルサイト
コバルトを含むカルサイト(方解石)は
ピンク色に発色し、
紫外線に反応して、ビカビカッと蛍光する。
(この標本は、とくべつにビビッと光る。←耳猫風信社の雑貨舗に画像あり)
昔のひな人形には、よくこんな華やかな牡丹(ぼたん)色に染められた布が
あしらわれていた。十二単のひと色であったり、
女雛の手にする扇の錺紐(かざりひも)であったり、
左近の桜の、花の奥まったところの差し色であったり。
かつては、ひな菓子も、
こんなふうな色で、おもいきりよく染めてあった。
それが時代とともに変化して、
淡くなる。
ちかごろでは、布でも菓子でも、桜色に染められているものが多い。
(なんでもパステルカラーにするのは、いかがなものか)
だから横浜の中華街などで、
ハデハデの牡丹色をした菓子を見つけるとうれしい。
春の菓子は、ハデなほうがよい。
桃まんじゅうや、祝い菓子。
これもコバルトカルサイト
コバルトの含有量のちがいで、さまざまなピンク色になる。
ラズベリーのプチケーキといったようすのこの標本は、
なかのほうに、濃いラズベリーのジャムを
包みこんでいる。
おいしそう。
小さくて、可愛らしい。