辰砂のなかのオパール
先月はきれいな菱面の結晶の、紅いガラスペンのような辰砂を紹介したが、
今月は、母岩にまぎれた辰砂の紅が麗しい標本。
イチゴを包みこんだクリームチーズケーキを連想させる逸品だ。
まだらのもようが浮かんでいるところが目を惹く。
この部分は、オパール化している。
辰砂とオパールを堪能できるとは、
まさに、ひと粒で2度おいしい。
ストロベリーと云っておきながら、
わたしの頭のなかには、
なぜか「かさごの煮付け」の映像があらわれている。
鰭(ひれ)が、突っぱったようなかんじと、
紅いうろこのところどころが、
染め残したようにまだらに白抜きされていて、
きょうのような寒い日には、
いっそうおいしそうだ。
角度をかえてみると、
イチゴクリーム生地にメレンゲをくわえて、
スパチュラで、さっくりひとすくいしたようだ。
イチゴクリームチーズケーキができるだろう。
いずれにしても旬の味わいが……。