会期が比較的長いとはいえ、
安心しているうちにもう6月(21日まで)。
ようやく時間をみつけてルーシーさんの器に逢いにでかけた。
六本木から歩くことにして、
まずは早めのランチ(この日は10時)。
この時間のミッドタウンはたいへん空いている。
浅野屋へ直行し、イートインのランチを。
全粒粉のクロワッサンというのが「新発売」となっていて
さっそく試食したところ、
たいへんおいしかった。
大麦とミョウガと小エビという
季節もののサラダもあり、おおいに満足した。
食べながら、ラディゲを読む。
イートインでラディゲだなんて、三島が怒るだろうな、と
よけいなことを思いつつ
光文社の古典新訳シリーズて読むラディゲは
軽やかでイートインにぴったりだった。
昔の翻訳で読んだときは、もっと耽美なイメージだったけども
(といっても、そのころは二十歳だったし、コクトーにかぶれてラディゲに
ながれたのだから、今とはまるで距離感がちがう)
でも、そのころですら、
フランス映画の「肉体の悪魔」は、(ぼく)のイメージがちがうと
思っていた。
ジェラール・フィリップはきらいじゃないけれども
かなり無理があるだろう、と(年齢的にも)。
新訳で読むとなおさらだ。
だいぶまえに、コクトー展で、ラディゲのはだかの写真を見た。
たぶん、コクトーが旅先へ連れ歩いているときに撮ったんだろう。
そのときは、三島もこれを見たことがあるのかな、なんて
よけいな連想をしたものだった。
……というランチのあと、紫外線いっぱいの街路をすこしあるいて、
ルーシー・リー展へ。
人がいっぱいと思ったら、「オルセー美術館展」を見る人々だった。
「芸術新潮」でルーシーさんの特集記事を読んだあとでいったので、
太った人はきらい、ハンサムな男性が大好き、というルーシーさんの
キャラクターが頭からはなれず、
作品ごとに、なるほど~と思いつつ鑑賞した。
この夏は、ハンス・コパーさんの展覧会もある。
ひと夏に、ルーシー&コパーを堪能できるとは
なんて幸福!