螢石(モロッコ産)
残暑にふさわしく、なごりの螢狩りを。
緑色に反射する螢石と、無色の螢石の結晶の、
両方をたのしめる標本である。
『テレビジョン・シティ』の冒頭のように、
海を俯瞰したカットが、
ちょうど真ん中のモニターに映っている。
遠浅の海の、
波打ちぎわで反射する海の色。
毎度のことながら、螢石の標本は
見る者それぞれの妄想の世界を、
ひろげてくれる。
この標本は、ミネラライトをあててみると、
より特徴的だ。
ご覧のとおり、
緑色と無色の結晶のちがいが、
はっきりとわかる。
ぶどう石と魚眼石
丸罐入りのミントの粒状ドロップが、
暑さでかたまってしまったぞ、という風情だ。
しかたがないから、一度にぜんぶ食べてしまおう、
なんてことをすると、口のなかが大騒ぎになりそう
ぶどう石の結晶に、小さな魚眼石の結晶がトッピングしている。
口のなかで泡がはじけるバブルガムがひところはやったけれども、
ちょうどそんなかんじのソーダの味わいがたのしめそうな
標本である。
(食べられません)
異極鉱
泡立ちがよくクリーミィなミントブルーの石鹸のような標本。
ミント系のグリーンとブルーの微妙な色の変化をたのしみたい。
褐色部分は褐鉄鉱だが、
この無骨な色合いがのぞいていることで、
泡状の結晶がよりひきたてられる。
チョコレートアイスにミントアイスクリームをトッピングしたようにも見える。
これはちまたでは黄金の組み合わせだけれど、
わたしは、チョコレートもミントも好きなのだが、
このチョコ&ミントのマリアージュはなぜか苦手だ。
アクアマリン(ナミビア産)
ツン、ととがった結晶が、もちろんアクアマリン。
黒っぽいのはトルマリン(電気石)だ。
なかなか豪華な組み合わせの標本だ。
電気石に、ぎゅっといだかれているのか、つかまれているのか、
そんなふうに見えるところがたのしい。
手足のさきだけミトンとソックスのように白い黒猫の仔猫が、
たくさん、まとわりついているようにも見える(笑)