この夏の猛暑で、
どうも育ちが悪かった庭のシュウメイギク(秋明菊)が、
ようやく咲いた。
花はいつもより、小ぶり。
山では、この春の低温の影響で
ミズナラなどのドングリが凶作だというが、
街なか(うちの近所)では、クヌギもコナラも
ざくざくとドングリを落としている。
東京都にも熊は生息しているが、
さすがにわたしが暮らす地区まではおりてこない。
熊が里にあらわれるのは、
山のドングリが不足しているから、と単純に考えていたが、
専門家によれば、
里にドングリがあるから、熊もおりてくる、そうだ。
つまり、熊はドングリがあるところに移動しているだけで、
飢えのために、やむをえず里におりたのではない。
(たしかに、映像でみる熊は、みんなころころと太っている)
しかも、里のドングリを食べられるうちは、
冬眠を先延ばしにするそうだ。
12月、1月になっても冬眠せず、
食べものがなくなって、ようやく山へ帰るのだとか。
だとすると、
公園や街路樹のドングリをみんなで採集して、
山においてこよう、という童話的「熊対策」は
どうも的はずれのようだ。
見えない境界線を
たがいに認識して衝突をさける、ことは、
考えてみれば、
かなり高度な近所つきあいだ。
……と、隣接する東西南北のお宅のうち、
(東は道路をへだてているが)
西隣と南隣に住む人の名前を
知らないわたしは、そんなことを思う。
南隣の人は顔も知らない。