造形作家、桑原弘明さんのSCOPE展は、
毎年12月のお楽しみとなっている。
今年も、11日(土)~25日(土)まで
銀座(地図では京橋3丁目)のGALLERY TSUBAKIにて開催中だ。
(日曜日は休廊なので、ご注意を)
11:00~18:30
スコープのなかをのぞくには、公開時間にあわせて訪ねる必要がある。
1:30 3:30 5:30
スコープをのなかは外部からの光の調節によって
異なる風景を描きだす。
暗室にしてのぞく必要があるため、
公開時間がきまっている。
2010のテーマは「夢幻の記憶」。
そのタイトルのとおり、
スコープをのぞく者の記憶の断片と共振するような、
そんな世界を堪能できる。
毎年、ご紹介しているけれど、
外見は金属のソリッドなフォルム。
そのなかに、精巧緻密な世界が閉じこめられている。
手のひらにのるほどの金属の函なのだから、
極小の世界であることは承知しているのに、
スコープのぞきこんでいるそのあいだは、
そのことを忘れる。
ノミの痕まで表現された大理石の彫像や、
床のモザイクにいたるまで、
細密に表現されている。
屋根裏部屋の、天体望遠鏡や天球儀、
秘密の階段や鏡、
市松もようの廊下など、
記憶と追憶と夢幻のアイテムが勢揃い。
今回、とくに目だったのは碧天(あおぞら)。
スコープの向こうの世界が、
ぐっと広くなる。
その瞬間が、ここちよい。