この季節にふさわしいお菓子をいただいた。
京都のおみやげ。
この菓子司では、
琥珀という寒天菓子に、
四季おりおりの装いをこらして、
店頭にならべるのだとか。
今は木の芽どきということで、
その代名詞である山椒の葉があしらわれている。
天然自然の葉ゆえ、
ひとつひとつ異なる造形が生まれ、
繊細なもようをかたちづくる。
ほんのり甘い寒天と、
山椒の薫りのコラボレーションもすばらしい。
料理の香味である山椒とお菓子とは、
ちょっと思いつかなかった。
砂糖の結晶したところが、
光のかげんで、
銀をはいたようにかがやくのも
うるわしい。
ちょうど春の淡い日ざしが、
水面に反射するのにも似て。
たんざく型の寒天の、
小ささ細さも、わたし好み。
上賀茂神社のすぐちかく。
このあたりはよくでかけていたけれど、
自分では見つけられなかった菓子司。
……さて、
今週は原稿のしめきりがあり、
どうやら桜いろの鉱石をご案内する時間がなさそう。
季節を先取りして、と思ったのだが、
かなわなくなり。
ひなの節句ごろまで、お待ちいただければさいわいだ。