先日、ひさしぶりの渋谷へ出かけた。
連休まえに、フェルメールの「地理学者」を見ておかなければ、
混雑すると思って。
渋谷はいつもとちがい、若者の数が少なかった。
各大学が、授業の開始を5月の連休あけに
延期しているせいもあるだろうけど、
若人は家でおとなしくしているらしい。
ヴィロンで朝食を摂った。
ありがたいことに、ならばずに
すんなり席に案内された。
ここも、すいているのだ。
腹ごしらえして、bunkamuraミュージアムへゆく。
フェルメールの「地理学者」がお目当て。
混雑を覚悟していたが、
ここもすいていた。
前売り券を買っていなかったが、
ならばずにすぐ買えた。
館内は、そこそこの混雑。
昼ちかくになっていたので、人はふえる傾向にあった。
順番どおりに見るのをやめて、
「地理学者」に直行した。
まったくありがたいことに、
待たずに最前列で見ることができた。
近年のフェルメール作品では、ありえない状況に、
ありがたい思いがするとともに、
それほどまでに「東京が敬遠されている」実態をしみじみと
感じた。
わたしも含め、
在京の「おばさまたち」の数はふだんと変わらない。
国内外の観光客と遠方の人と若者とがいないのだ。
109前の横断歩道を渡りつつ、
こんなに人が少ないのは40年ぶりかな、という印象をもった。
商人には困ることかもしれないけれど、
ある意味では、40年まえくらいの東京にもどるつもりでも、
よいのではと思えてしまう。
おばけ煙突の火力発電所で
どうにか電力をまかなっていた時代(50年前)のことを、
ちょっと考えてみた。
下町で暮らしていたわが家には、洗濯機も冷蔵庫もなかった。
テレビはあった。
(赤ん坊だったので、記憶しているわけではない)