雨ふりの午後、
バスに乗っていたところ、
(小型の地域バスで、全行程14分くらい)
小学校低学年と思われる女の子が乗りこんできた。
すでに満席なので、とびら近くのポールにつかまって立つ。
手には、駅ビル内のパン屋さんの袋。
バスが駅を離れてまもなく、
女の子はパン屋さんの袋のなかから、
パンをひとつとりだした。
とりそこねて、落っことす。
すばやく拾い、
なにごともなかった顔でたべはじめる。
バスのなかで?
(それに、いま落っことしたじゃない?)
学校を終えて帰るとちゅうのようだ。
よほど空腹なのだろう、と思ってながめていた。
女の子は無表情のまま。ぱくぱく。
あるバス停で、
女の子の近くの席があく。
(でも、すぐに座るほどあつかましくないのは感心)
となりに立っていたご婦人が、
座ったら?
と声をかけると、うなずいて座る。
ご婦人も、ぱくぱくが気になっていたよう。
お水はあるの?
と(のどが、詰まるのを気づかって)訊く。
女の子は、上着のポケットにいれていた小型の
ペットボトルを見せて、あるの、と云う。
ハチミツパンとおぼしきものを食べおわる。
それだけかと思ったら、
2個目があった!!!
こんどは、チョコレートチップのはいったパン。
ぱくぱく。
これを完食したら、ふたつで軽く500キロカロリーを超えるはず。
体重は20キロ台と思われる低学年の女の子だ。
あきらかにカロリーオーバー(しかも、おやつ)
とっても小柄で、いまは肥満の兆候もなし。
わたしが降りるバス停でもおりなかった。
(この先の人は、ふつうバスに乗らない。
駅から歩いて10分以内の範囲だから)
女の子は、きっと2個目の菓子パンも食べてしまったにちがいない。
その先のバス停の近くには、
塾がある。
私立の制服だったけれど、
さらに中学受験のおべんきょうでもするのだろうか。
あのパンは夕食がわり?
これから塾で2時間くらいべんきょうするの?
なんてことを思いつつ帰宅した。