毎年12月恒例の
桑原弘明さんのスコープ展が
銀座のスパンアートギャラリーでひらかれている。
12月24日(土)まで 日曜休廊
スコープのなかをのぞくことができるのは公開時間のみ
公開時間 13:30/15:30/17:30
(最終日は画廊が17:00までなので17:30の回はなし)
この季節にふさわしく聖夜がテーマ。
テーブルにおかれた器に
やまほど盛られたカラヴァッジオ風の
つややかな苹果に目をうばわれる。
この苹果のサイズは
直径1ミリほど、だそうだ。
器やナイフの持ち手(ハンドル)は象牙製で、
細やかなもようが、ほどこされている。
苹果のサイズを基準にすれば、
これらがどれほど小さなものであるか、
にもかかわらず、精巧なもようが刻みこまれているか、
あらためて認識し、おどろくばかり。
ソリッドな金属でできた外部に、
いくつかの窓があり、
そこにライトをあてる。
するとスコープの世界では、
夜明けや薄暮や、月あかり、となるのだ。
窓の外の雪景色が、青く冷えている。
あるいは、古めかしい路地に面した建物の
アーチ型の通路から、外をふりかえったような景色。
踏みしだかれた雪の街路が見える。
あるいは部屋の中心にバラが息づくローザリウム。
桑原さんのつくりだす雪景色にいつも心ひかれる。
真っ白な雪ではなく、
羽毛のような、くぐもった白。
新雪ではなく、街路になじんだ雪。
今年は濃紺の函にカード5枚がおさまった
setも登場。
会場で購入できる。
クリスマスシーズンでにぎわう銀座の、
人いきれに疲れたら、
スコープ展で
心静かに過ごしてみては?