この夏、
三菱1号館での「バーン=ジョーンズ展」をうっかり見逃してしまった。
仕事が落ちついたのち、
あらためてどうしても観たくなり、
巡回展先の郡山まで出かけることに。
今季いちばんの冷え込みという予報が出ていた今月上旬、
どんな服装で出かけたらよいのかと迷いつつ、
それでもまだ11月はじめだし、と厚手ニットジャケットで。
昼間は日ざしもあって、じゅうぶんに温かかった。
さすがに風は冷たかった・・・。
早朝の新幹線に乗り、10時前に郡山到着。
初郡山。
タクシーに乗り、市立美術館に直行した。
黄葉した、カシノキ類の木立のなかのモダン空間にびっくり。
エントランスまでの、通路の左手にひろがるスレート状の石の庭。
古代の道のようでもある。
月の夜には、銀色にかがやくのかも。
カスケードのように、斜面になっている
(竜頭の滝をもう少しゆるやかに幅ひろくした感じ)・・・。
館内は、朝の静けさに満ちて、心地よかった。
天井もたかく、コンクリートと石と木材とが調和した空間だ。
国内では、ひさしぶりのバーン=ジョーンズ展。
もしかしたら、混雑する?
と思ったけれど、
土曜日であったのに、静かな環境でゆったりと鑑賞できた。
神話もの、中世の騎士道ものから、いばら姫まで、
幻想世界を堪能できる。
モリス商会との共同製作によるタペストリーの展示もあった。
オックスフォード大で、バーン=ジョーンズとウィリアム・モリスは学友だった。
「新学期に同じ学生寮の隣同士の部屋をもらえた」
などのキャプションを読むのは楽しかった。
コミックふうの自画像には、
ユーモリストであったという画家の
とぼけた味わいがある。
こういう一面があることを知らなかったので、
まずおどろいた。
そのユーモア感覚が、作品にあらわれることはなかったというエピソードも
新鮮だった。
深い翠のいろあいが、麗しい。
(図録では、再現がむずかしかったようだ)
12月9日(日)まで開催中。