ほんのちびっ子だったころになじんだ
ウエハースやボーロの味わいは、
いくつになっても懐かしいもの。
だからゴーフルも鉱泉せんべいも好きなわたしだが、
この特大ゴーフル似の(凬月堂の大判くらい)イタリア産スイーツは
懐かしい味わいというよりは、
ちょっと幸せ! な気分になるお菓子。
アーモンド粉がふくまれているので、
風味も香ばしさも、小麦粉製オンリーのものより
グレードアップしている。
そのくせ、粉と砂糖とちょっぴりの塩でできた
(賢治ふうに、正しい朝餐と呼ぶべき)
素朴な味わいは失われていない。
ヴァニラクリームのふんわりした甘さもバツグン。
伊勢丹のイタリア展で、人気沸騰したスイーツらしい。
それを、おみやげにいただいた。
うわさに違わず、
懐かしくシアワセな気分になる味わい。
サクサクなのにしっとり、という
なんだか矛盾した味わいが特徴だ。
なんでも、生地をつくったあとで湿気をふくませるために
しばらく寝かせるのだとか。
この菓子の製法を守ってきたデジデリ家の人たちが、
一枚一枚手焼きするという
繊細なスイーツだが、
ざっくりと大ざっぱに袋詰めされているところは、
いかにも地元の人たち
(トスカーナ州のモンテカンティーニという温泉地)が
地元で味わうもの、といった風情。
だから、缶入りだけれど、
持ち帰るあいだに、縁がかけたり、
ひびがはいったりする。
でもそれも、味というもの。
なにより、お盆のような「まあるい」菓子ににかぶりつく感じが、
なんとも楽しい。
刻印は、モンテカンティーニの紋章だそうだ。
ディーン&デルーカ通販で購入できる。
(店頭売りしている店はかぎられるようだ)