だんぜん薄い皮の〈長命寺タイプ〉の桜もちがいい。
わたしは根っからの東女だから。
けれども近ごろ、
店さきでは道明寺粉をつかった関西風桜もちの占有率が高い。
両方ならんでいる店もあるけれど、少数派だ。
多数派は道明寺粉の桜もち。
糒(ほしいい)である道明寺粉をつかった桜もちのほうが
日持ちするからかもしれない。
桜いろの皮でくるんだ桜もちは、買ったその日に食べるもの。
というより、その場で。
江戸っ児の「せっかち」さがあらわれている。
その日持ちの悪さのせいなのか
東京でも、昔ながらの桜もちは少数派になってしまった。、
地元の老舗で、かろうじて生き残っているていどだ。
恵方巻きが、関東でも
いつのまにか(昔からある習俗のような顔で)定着したように
桜もちも、
いまや道明寺粉のほうがスタンダードなのだ。
そもそも「あんこ」のお菓子の人気がないのだろうけれど。
先日、近くのデパ地下のイートインコーナー
(ドーナツ屋のテーブル席だが、
デパ地下の購入品を食べてもいいことになっている)で、
妹と(安あがりな)3時のお茶をしていたら、
となりのテーブルの小学校高学年とおぼしき小娘3人が、
それぞれにドーナツを、ふたつもみっつも食べていた。
もしもし~、
それは1個でも250Kcaほどのボリュームなのよ。
ふたつ食べたら、それだけで1食分よ。
みっつは肥満直行便!
おやつなら、ひとつでやめておきなさいよ、と思ったけれど、
もちろん、口には出さない。
夕食がわりなのかもしれないし、
よその家の小娘が肥満になろうと
若年高血圧症になろうとなんだろうと、
わたしには関係がない。
でも小学生のうちに
高脂肪体質を改善しておかないと
成長期の中学生になったときはもっと食べるようになり、
高校生になれば高カロリー食&スイーツへの欲望が暴走する。
この世代は日常の運動も不足しているようだし、
三十歳になったころに、はやくも足腰が使いものにならず寝たきり、
なんてことにならないよう願いたい。
われわれ世代が、上も下も支えるのでは、
やりきれない。
あれ? 桜もちの話題だったのに。