きのうの朝、
高らかなツバメのさえずりがしばらくつづき、
やがて6時になって、航空自衛隊の起床ラッパが聞こえ、
そのあとでカッコウが啼きはじめた。
起床ラッパはいつも聞こえるわけではなく、
風向きのかげん。
距離的には600メートルくらいのところなので、
近いといえば近い。
もとは米軍基地だった。
そこと、某家電メーカーの工場が線路で結ばれていた。
子どものころは、ああ、線路があるなあ、ぐらいにしか
思っていなかったけれど、
(流れるプールのあるプールへ行くときの通りみち)
これが、日米同盟の正体(の一部)だったわけだ。
地政学的にも、あるべくしてあった基地。
いま、何度目かのちょっとした古代マイブーム。
上原和著『斑鳩の白い道のうえに』を読み返す。
厩戸皇子が伊予の湯岡(道後温泉)を訪ね、詩文をのこしたという
エピソードが好きだ。
湯治に訪れたわけではない。
湯岡は法隆寺の庄で、つまり厩戸皇子の領地。
この旅は領地の巡行である。
斑鳩からこの地まで、点々と領地がある。
ここは古代の重要な海上ルートであったから。
厩戸皇子も地政学的にものを考える人だった。
そうこうしているうちに、
カッコウの声を聞きつけたオナガが大騒ぎ。
朝食を食べに出かけていて、なわばりをお留守にしていたらしい。
おそらくそのスキに、托卵されてしまっただろう。
ただし、オナガは自分の巣のなかのよく似た卵のうち、
カッコウのそれをちゃんと見分けてつまみ出すアタマがあるという。