いつぞや、「名探偵登場!」というお題目で書いた短篇が
ほかの十二人の著者のかたがたとともに
一冊の本になりました。
タイトルはそのまま
『名探偵登場!』(講談社)です。
わたしの書いたものは
「ぼくの大伯母さん」というタイトルです。
これは、短篇として作ったのですが、
登場人物のキャラクターはけっこう気にいっています。
設定的には、再登場させるのはむずかしいのですが
このまま放置するのは、ちょっと惜しい気もしています。
しかし、再利用には荒業が必要だ。
ひょっこり、キャラクターができてしまうことがあるのですよね。
読者のみなさんがそれを気にいるかどうかはべつとして、
自分のお気に入りになることがあります。
とはいえ、この小品は、
あのカルト映画(わたしのお気に入りの)
『ハロルドとモード』の影響を受けているかもしれません。
作中でもそれを話題にしていますしね。
背景が霊園なので、
霊柩車がマイカーだったハロルドのイメージが
濃厚です。
ルースさん演じるモードの
もとヒッピー風おばあさんはなんとも魅力的でした。
日本のおばあさんを描くと、
昭和の図式的なイメージにとらわれがちで、
そこが今後の課題です。
というわけで、まもなく発売になると思うので
書店で見かけたら(発行部数が少ないらしいですので
あまり見かけないかも)、
どうぞご覧ください。
なお、本書の解説は中条省平氏です。
史上はじめて登場した探偵の話題にはじまり、
本書収録作品を作中の設定年代にそって解説する
楽しい仕立てになっています。