梅雨入りして、連日どんよりした空に
気が滅入りますね。
こんなときは、からだの調子も悪くなるので、
ついだらだらと過ごしてしまいます。
いまさら、ダウントン・アビーを見始めました。
いつも視聴しているaxnミステリーでの放送が開始されたので。
NHKの放送ではシーズン3まで進んでおり
本国ではシーズン6まで進み、これで終了になるとのことなので
かなり、出遅れての視聴です。
NHKやスター・チャンネルで
すでに放送されたぶんのあらすじがあちこちに紹介されていて、
つい読んでしまいますが、
だからといって魅力が減るわけでもありません。
あらすじとは関係なく、それぞれの人物を演じる役者が
(あたりまえですが)達者な俳優ばかりなので。
イギリス製作のドラマを観るのはもともと好きですが、
いつも思うのは、どうしてこんな小さな役の役者まで
演技が素晴らしいのだろう、ということです。
ふるまい、まなざし、口もとの動き
会話における間合い、
役柄にあわせて行なわれるそれらの動作は、
何度再生しても見飽きないほど。
だから、あらすじを読んでいようといまいと関係ないのです。
ミステリーの場合は謎解きが重要ではありますが、
犯人を認識しながら観る二度目、三度目でも、
こちらが一度目のときに気づかなかった俳優たちのより細やかな演技というものに
気づくことが多く、それも愉しみとなります。
いっぽう読書のほうでは、
ミネット・ウォルターズの新刊『悪魔の羽根』を読み終わったところです。
新刊といっても、翻訳でしか読めないわたしが手にするのは
本国では十年近くもまえに出版された作品になります。
いつもながら克明に描かれる心理サスペンスは、
メールや文書形式の断片的な表現が多用されているにもかかわらず
なかなか途中でやめられません。
それでも若いころとちがって目の限界がやってくるため、
しかたなく本を閉じて眠り、次の日につづきを読みます。
ミネット・ウォルターズは現在、
〈英国ミステリーの女王〉と呼ばれていますが、
ほかにも女王クラスの書き手は何人もいて、豊穣です。
こうした豊かな書物の延長に、ドラマの数々もあるわけで
(上質の娯楽をもとめる人々に応えるべく)
そういう意味での貧困な国にいる者としては、
ますます、地上デジタルでは天気予報にしか用がない、
ということになります。
なのでわたしはどこかの貧しい国の
現役の俳優の名前をほとんど知りません。
(70年代までの人は、かなり知っています。
当時は自分も子どもで、
いまよりずっと表現力に寛容だったのでしょう。
ただし古いフィルムを再度観ても、
評価が変わることはあまりありません)