今年も無事に終了しました。
まだ梅雨の最中ですが、
当日は晴天となり、猛暑でもあり、
強力な晴女がいたのだろうと思います。
わたしは最悪の雨女なのですけれどね。
正式には野川朗読会というもので、
野川にちなんだ詩人、作家たちによる朗読やトークがあります。
今年のトークは
わたしと詩人の田野倉くん、
おなじく詩人のそらしといろさんの3人でおこないました。
今回のテーマはスサノヲでした。
これはわたしが春先のブログでも書いたとおり
川村美術館での「スサノヲの到来――いのち、いかり、いのり――」展を
観て以来、マイブームであったからです。
この展示は縄文土器の名品ではじまりますが、
これが素晴らしいのです。
スサノヲといえば「泣くいさちる神」ですが、
まさにその古代神話のベースになったであろう
縄文人の蛇信仰をかたちにした小さな土偶が
観覧者をスサノヲの世界に誘ってくれます。
「泣く」ということの造形化が
すでに縄文人たちによって普遍化されていたのだ、ということに
驚かされます。
それを確認し、びっくり!するだけでも、
わたしなどは川村美術館まではるばる出かけたかいがあった、と
思いましたが、
田野倉くんに云わせれば巡回展の最初の開催地である
足利美術館で観たら、なおよかったのに、ということでした。
土偶のほかにも、みどころ満載の展示です。
いよいよ巡回展のさいごに東京へやってきます。
松濤美術館です。
渋谷なら出かけやすいので、
興味のあるかたはご覧になってみてください。
トークについて。
わたしはいつもデタラメにしゃべりますが、
田野倉くんが古代神話のなかのスサノヲのありかたを
なかなか面白く解説してくれました。
スサノヲとツクヨミはなぜ混同されるのか?
縄文人は、いったいどうしてメソポタミア文明より
5000年もはやく土器をつくったのか、などなど。
そらしさんも、
オロチ退治のスサノヲだけでなく
歌をはじめて歌った神としてのスサノヲについて触れられ
(八雲立つ、のあの歌です)
現代人のわたしたちと切り離せない存在であるスサノヲということで
しばし話が進みました。
朗読会は、詩人の岡島弘子さんの主催で、
参加申し込みも岡島さんに予約するかたちですので
わたしの読者のかたには
なかなかハードルが高いかもしれませんが、
新しい体験として、ご覧になるのも愉しいと思います。
(画像は、野川の岸辺よりくじらやまを臨む)