東京都心に初雪とのことです。
雪雲は湾岸を通過したようなので、
東京西部のわが家のあたりでは降りませんでした。
この連休中は
「原民喜を読む」イベントに出かけてきました。
詩人の吉増剛造さんと、作家の村松真理さんによる朗読とお話でした。
昨年夏に岩波文庫より『原民喜全詩集』が出版されたのを軸にした
お話でした。
原民喜さんはヒロシマを題材にした『夏の花』で知られる作家です。
わたし自身も、そのイメージでとらえておりましたので、
このたびの詩集ではじめて、
ヒロシマだけではない、もっとひろい民喜さんを知ることができました。
小説のなかでも、随所に星のイメージが展開されるのですが、
詩においては、なおさら星をめぐることばが際立ちます。
たとえば、〈画集〉としてまとめられた詩集のなかに
こんな詩があります(改行は読点に応じて長野がおこないました)
一つの星に
わたしが望みを見うしなって暗がりの部屋に横たわっているとき、
どうしてお前は感じとったのか。この窓のすき間に、
あたかも小さな霊魂のごとく滑りおりて憩らっていた、稀なる星よ。
小説のなかでは、蜘蛛の糸をつたって滴るように星が垂れてくるという
イメージもありました。
賢治さんとシンクロする表現もあるように思えたので
吉増さんに
民喜さんは賢治作品を読んでいたでしょうか、と訊ねてみました。
「おそらく、読んでいたでしょう」というお答えでした。
このイベントのまえに
休日の銀座を散歩しました。
交旬社ビルが現代アートのような建物になっていることに
いまさら気づいたのち、
エレベーターホールに昆虫!の
アヴァンギャルドなテナントビルになったコマツビルのうえで
お茶をしました。
これまた、いまさらのローズベーカリーにて。
キャロットケーキをいただきました。
人参の風味はそれほど感じられませんでしたが、
人参の姿は認められ、
見かけほど重くないのね、と思いつつ平らげてしまいました。
おいしかったです。