『フランダースの帽子』単行本ができあがりました!
おととしから昨年にかけて、
「文學界」で連作していたものを
まとめてあります。
カバー画は
わたしの世代にはちょっと懐かしいグランマ・モーゼス。
最初は雪景色の絵をお借りしたいなあ、と
思ったのですが、
よく考えたら、もう春!
というわけで、にぎやかな「婚礼」の場面の絵を
選びました。
原稿のなかでいちばん古い「ポンペイのとなり」は
大幅に改稿してあります。
ですから、掲載時の原稿をご記憶のかたには
え!
という読後感があるかもしれません。
原稿もなまものですので、
いまのわたしの意識がすべりこんでしまい、
手直しが可能な場合には、
つい手をくわえたくなるのです。
それは必ずしも読者にとっては望ましくないとしても。
以前、
『レプリカ・キット』を単行本にするさいに
「子どもは日曜日は退屈だ」という詩を
掲載時とかなり変えてしまい
「前のほうがよかった」
とのお声をたくさんいただきました。
あれには少し事情がありまして、
わたしとしては、
シャルル・トレネの唄う「日曜は退屈」と
歌詞が似すぎているのではないか、というのを
気にしていたのです。
それでシャルル・トレネの歌詞を確認したかったのですが、
当時は原詩を入手できず、
やむなく、怪しい部分をすべて除くことにしたのです。
シャルル・トレネの「日曜は退屈」は
トリュフォーの映画『トリュフォーの思春期』の主題歌でした。
いまはDVDがあり、
あらためて観てみますと、
それほど気にすることはなかったかも、と思われます。
しかし、いまさらもとにもどすという話でもなく。
「ポンペイのとなり」もかなり衝撃的な改稿なので
賛否があるかと。
わたしとしては読みやすくなったと考えています。
ゆらゆらする原稿のお話ということで、
画像は
やっとはじめて展望台に昇ったスカイツリーから
撮影したものです。
ゆらゆらと船のようにゆれていました。
めまいがしそうに。
コニカミノルタのプラネタリウムで
4Dの「銀河鉄道の夜」も観てきました。
映像はなかなか迫力でしたが、
シナリオはやけに宗教がかっていて
???
さらに、わたしはあの音楽は苦手です。
オルゴールの音色ぐらいでじゅうぶんだったかな、と
個人的には思います。
しかし、人それぞれの思いで
賢治さんを読めばよいのであります。
プラネタリウムに入場するまえは青空だったのですが、
出てきて展望台に昇ったときは雲がいっぱい。
でも「雲の信号」が出ていました!