吉増さんとのトークイベント、
みなさんお愉しみいただけましたか?
わたしは自分が当事者であることを忘れて
吉増さんのお話に夢中になってしまいました。
『頭脳の塔』の「死の山」にまつわる
タタタタのお話はたいへんな秘密をあかしてくださったのですよ。
(横書きと勝手な改行の引用をおゆるしいただいてここにその一部分を)
タタタタ、タタタ、タタタタ、タタタ、この音楽から霊感という生きた死人が、
死者の呼吸が聞こえてくる、死人の櫂をこぐ音、
先日のトークイベントで、
吉増さんはこの音を再現してくださいました。
芸術家が霊感源について語ってくださることは
ほんとうにめずらしいのですよ。
12日にお越しくださったかたたちは、
ほんとうに得をしましたね!!!
あの晩、わたしは興奮しつつ寝床にはいり、
翌朝は元気いっぱい目ざめて
国立新美術館へ出かけました。
大混雑しないうちにルノワール展を観なくてはと
思って!
朝一で入場しましたがそこそこ混雑していました。
しかし、みなさんオルセー蔵の「猫と少年」に
とりついて動かないので
わたしはさっさと奥へ。
先に、ムーラン・ド・ラ・ギャレットを観るのだ~。
予想どおり、まだ数人しか到達していなかったので
じっくり堪能。
みなさまもご存知のとおり、
印象派の絵画はピントの合うところが
絵の目の前ではないのです。
かなり後ろにさがったところに、ぴったりピントのあう位置が。
というわけで、人がこないうちに後方からクリアな
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会風景を堪能しました。
そこからあらためて入口へもどって、
音声ガイドのひとたちが去ったあとの猫と少年。
でも、これはオルセー展ですでに観たのでここではあえて言及しません。
もうひとり、予想外の少年がいたから~。
これははじめて観る。
「幼年期のフェルナン・アルファン」
何者?と解説を読みましたら、なにやら富豪の息子であると。
船員服がとてつもなく素晴らしい。
お坊ちゃまのために仕立てた水兵服ではなく
ホンモノの船員用なのでは?と思うような
ちょっといかがわしいデザインの水兵服なんですが、
少年はいたって清楚。
額の小さな巻き毛が~。
立ち読みした図録の少年の青年期のお話にも、ためいきが。
澄明なまなざしにたがわず、よき魂がが宿っていたのね、と。
ルノワールにはめずらしい真紅の背景。
なんともけっこうな絵でした。
なぜか絵ハガキなし。
残念ですが、面影を網膜に灼きつけて帰ってまいりました~。
セーヌ川の青がうるわしい風景画と
ヴェールをつけた娘さんの姿にも惹かれました。
こちらは両方とも絵ハガキがあってよかったです。