またひとり、親しくしていた(わたしより遥かに若い)
頼りがいのある編集者が逝ってしまいました。
とても哀しいです。
『冥途あり』を彼女の助言のもとに書きあげ、
単行本にしてもらい、
泉鏡花文学賞と
野間文芸賞を受賞することができました。
それがつい一昨年の秋のことなのに。
つぎの作品の話もしており、
有意義なヒントもいただきました。
しかし、ほかの原稿の予定があって、昨年はそれに
取りかかれずにいて、
「きっとそろそろ催促が」と思いつつ
もろもろの原稿や仕事を片づけ、
さていよいよ、というところでしたのに。
野間文芸賞のお祝いにとランチに招待してくれた席で
彼女と、直接の担当編集者のKさんと私の3人で
愉しくおしゃべりをしたのが、最後となってしまいました。
その席で、
「長野さんは鳥好きだから、これを着てきたの」と
カラフルなインコが編みこまれたセーターを身にまとい、
いつもどおりに元気な笑い声をたてつつ、
わたしの「次作の構想」というものに耳を傾けていた彼女は、
おおまかな締切のメドなどとともに、
ちょっとほかのひとには思いつかないようなヒントを
くれるのでした。
心より感謝します。
神葬祭で葬られた彼女は七日目に神になるそうです。
どうぞ安らかに、とお祈りしております。