
あいかわらず、
だれにも話しかけられたくない状況なのですが
「バベルの塔」は観てきました。
混雑しないうちに行かないと後悔すると思ってのこと。
なにしろ、近ごろはどこの美術館も行列があたりまえ。
前売り券を買いそびれた展覧会などは、
チケットを買う行列+観覧の行列。
くわえてミュージアムショップも長蛇の列。
「ミュシャ展」がまさにそれでした。
(かろうじて入場制限はなし)
平日午前のはやい時刻なのになぜ~というくらいの、
途方もない混雑ぶり。
出品されている絵が巨大なので、観賞には問題がありませんでしたけれど。
はがきを買うのはあきらめて、帰ってきました。
バベルの塔のほうは、初日に出かけたので
無事に、じっくり観賞できました。
しかし、今回は小さいほうのバベルの塔。
ルーペなどがあるとよい、と某美術ガイドに書いてあったので
持参してみたものの、
そこまで接近できるはずもなく。
オペラグラスをお持ちのかたがいらして、
賢い選択だと思いました。
みなさまも、持参するならオペラグラスを。
細部は、芸大の学生さんとのコラボで制作されたCGで
堪能しました。7分余りの映像。
こちらは、一回待てばよい席で観覧できるくらいの混雑でした。
初日ですから~。
マスメディアの紹介番組で取りあげられますと、
それはもう翌日から大混雑でしょう。
まさに、「ぶらぶら美術館」の放送が本日ですね。
この番組で鑑賞ポイントをチェックしてから観る、というのも
ひとつの愉しみではあるのですが。
今回の話題はもうひとつ。
「ゴッホ」のアルル時代のスケッチブックです。
126年ぶりに発見された未公開スケッチブックとして
昨年話題になり、現在も真贋論争の真っただ中です。
ファン・ゴッホ美術館は全面的に否定しています。
(現物を見ること自体を拒否)
長年の研究者により検証され、そちらでは実物と判断されています。
たしかに、わたしの大好きな初期の素描とは
かなりかけ離れたスケッチです。
ただし、アルル時代以降の「彼」は視覚神経に問題があったと
思われます。
絵のなかの曲線の多さ、
光に過敏すぎる色彩。
(彼は、それを見えるとおりに描いたと証言していますし)
いずれも、パリ時代やそれ以前の絵とはかなりちがっています。
しかし、いわゆる名作はアルル時代に集中していますものね。
わたしはパリ時代にモンマルトルで描かれた田園風景も
たいへん好きなのですが。
この問題のスケッチ集(鑑定を行った研究者の検証つき)を
さっそく邦訳して出版したのは
例によって河出書房新社です!
ご興味のあるかたは、
河出書房新社HPでご覧になってみてください。