『少年アリス』のタイトルページに差しこむ初日の出です。
文字のまわりに飾りが描きこんでありますのは
「改造版」をつくるさいに勢いあまって描いてしまったものです。
修正や加筆を『少年アリス』の単行本へ直に書きこみ、
余白に、そのときどきの気分でもようを描いたり、
イラストを描きこんだりしました。
(出版された本に修正を書きこむのは賢治さんのまねです)
今年2018年は、『少年アリス』で文藝賞を受賞してから30年となります。
この数字にあまり実感はありません。
過ぎてみたならば、30年たっていた、というだけなのです。
日々、目前の原稿を書くことに集中し、その積み重ねが30年になったのです。
それでも、節目にはちがいありません。
ささやかなイベントを企んでおります。
7月の後半、海の日の連休のあたりで、
国立のギャラリービブリオさんでの開催となります。
そのまえに、
耳猫風信社における読書会(初主催)をひらきます。
4月8日(日)です。
場所はクリスマス展とおなじく
国分寺くるみギャラリーさんです。
課題図書はこれから決めるつもり。
時間、応募の詳細などは近々
耳猫風信社のHPにてお知らせいたします。
上記の画像は、『少年アリス』を文藝賞に投稿したさいの
同封(してしまった)イラストの原画です。
文藝賞には毎年数百の応募があります。
違和感としてでもまずは目立ちたい、と思ったのは確かですが、
文章とイラストが
当時のわたしにとっては同時に進行してしまうものでしたので
切り離すことができなかったのです。
受賞後、選考委員のおひとりから、
「イラストはおよしなさい。原稿だけでいいのよ」とご指摘があり、
テキストのみで原稿を完成するよう心がけました。
余暇としてイラストは描きつづけましたが。
実際、この『少年アリス』のイラストはあまり巧くありませんね。
とくに耳丸の骨格は、まるで犬になっておりません。
かかとがどこなのか、よくわからない絵です。
とはいえ、今年の干支にあわせて、
旧作をひっぱりだしてみたしだいです。
みなさまにとって、佳き年でありますように!