混雑しないうちに、と思い、
《ミケランジェロと理想の身体展》に
行ってきました。
もちろん、このたび初来日のあの少年に逢うために。
日本初であるばかりでなく、所蔵国(スペイン)を出ることも稀だという
ミケランジェロの初期作品。
「若き洗礼者ヨハネ」
20歳のミケランジェロが、
洗礼者ヨハネを〈少年像〉にしたことだけでも
一見の価値あり!であるこの像は、
さらに数奇なエピソードを持っています。
だからこそ、混雑必至と予想して
6月中になんとしても観ておかなければ!と
少々リキんで出かけました。
上野駅は人でいっぱい。
みんな西洋美術館を目指していたらどうしよう、などと
思ったわたくしがバカでした。
みなさん動物園のほうへ~。
シャンシャン。
西洋美術館の入り口に行列はなく、あれれ?と思いつつも
それなら、ゆっくり〈少年〉を鑑賞できるゥ、と足もとも軽く。
実際、空いていました。
なので、落ち着いて順路にしたがって歩きました。
(気のはやる展示では、順路を無視してお目当てに突進するわたくしです)
いよいよ~。
まずは《ダヴィデ=アポロ》
ミケランジェロが途中でほうりだしたため、
ダヴィデかアポロか特定できない!という壮年期の傑作。
ウツクシイ腰のカーブにうっとり。
しかし、その向うにチラチラみえる本命の少年に気もそぞろ。
で、少年です。
画像はあえてご紹介しませんよ。
みなさまが妄想を大にして
ご自身の目でご覧になるときの妨げにならないように。
(トップの画像は撮影OKだったラオコーンの息子です)
若きヨハネ像は、あのロレンツィオ(メディチ家)
の依頼で20歳をすぎたばかりのミケランジェロが製作しました。
しかし、
直後から400年ものあいだ行方不明となり
1930年代に再発見されたのです。
ところがミケランジェロ作と特定されたとたん
スペイン内戦に巻き込まれて破壊されました。
遺されたのは14の石片(本来の姿の40%)。
そこから驚異の復元作業がおこなわれたのです。
修復後、スペインとイタリアで2回しか
一般公開されていない作品です。
それが、来日しているのですよ!!!
頭部は黒焦げになったそうです。
でも〈少年の睛〉は失われませんでした。
仮面舞踏会にでかけるかのようなその姿……。
けれども、ほんとうに
〈睛〉が素晴らしい。
みなさまも、少年ヨハネとはやく逢ってください。
(ミュージアムショップのコンセプトは
完全に方向性をまちがっています)
あしたは、恒例の野川朗読会です。
(詳細は耳猫風信社HPにて)
こちらでは、いつもの対話時間に
「賢治さんとケルト」についてお話する予定。
古代ケルトがキリスト教化される過程で
夏至のお祭りが聖ヨハネの日の宵祭りに変化していったことと
賢治さんの〈ケンタウル祭〉とのかかわりについて
詩人の田野倉康一さん、そらしといろさん、
とともにお話します。