ようやくセットが組みあがりました。
スペシャルセットは数量にかぎりがありますので、
ご注意ください。
ほかに少々内容の異なるセットもご用意しております。
通販開始日時は耳猫風信社HPなどでご案内します。
スペシャルセットの
メインは書き下ろし短篇です。
先にお届けした《航海案内書》の続編となります。
惑星間航路をゆく郵便船のクルー
Thrush-Kohによる語りです。
この短篇は、秋、冬としばらくつづく予定です。
文字による架空の旅を、お愉しみください。
わたしはこの数か月、ひたすら書物のなかを旅して過ごしました。
連載原稿の関係で
ヴァン・ゴッホ兄弟を道連れとして
19世紀のパリへ何度となく出かけました。
案外、多くの日本人商人がいるので驚きました。
兄弟も、日本人との関わりが少なからずあったようです。
この兄弟がモンマルトルで暮らしていたころ、
そこにはまだたくさんの風車小屋がありました。
兄弟の故郷のオランダの風車よりは、ずっと小さかったのですが、
都会暮らしの、いくらかのなぐさめではあったようです。
オランダ時代、
ゴッホは風車の羽根車を十字架にたとえることもありました。
今回、鉱石倶楽部でご案内するのは、
そんな羽根車の十字を思わせる石膏の標本です。
きれいに蛍光します。
パリ的に云えば、
ムーラン・ド・ラ・ギャレットのように
風車小屋がダンスホールに変身したというところでしょうか。
こちらはスペインの鉱山の標本です。
「ゴッホの犬と耳とひまわり」の第7話(群像7月号)では、
そんなゴッホの羽根車と
賢治さんの天気輪の柱の類似性を考察していますので
(作中人物の河島先生そしてですが)
興味のあるかたはバックナンバーにてどうぞ。
もうひとつ、
今月は天使の黄金の翼のような標本をご紹介します。
巡礼の道ぞいにある古い教会堂の天井裏に、
埋もれているかもしれません。
アルル時代のゴッホが、
風景画を描くために旅をしたカマルグは巡礼の道の
起点のひとつでもあります。
カマルグについては
「ゴッホの犬と耳とひまわり」の第8話(群像8月号)で書いております。
〈夏のおもいで〉セットでは
みなさまの意識の底を刺激するために
燈台の画像や、切手や貝殻の標本をそえておりますが、
それらは、たんなる搭乗券でしかありません。
旅の空間をひらくのは、
それぞれのイマジネーションしだい。
今回は、小さなレモンと青い魚がアクセント。
どうぞ、愉しくゆたかな旅を。
燈台切手に限りがあるため、
スペシャルセットは少数ですが、
もうひとつのセットも切手や標本などが添えていないだけで
そのほかは、ほぼ同じ内容です。