燕が南へ旅だってゆきますね。
わたしの住まいのあたりでは、
もう声を聞かなくなりました。
いつもならば、
燕の去る季節には金木の薫りもするのですが
ことしはまだ薫りに出逢えません。
庭木に金木犀を植えている家が
もうないのかもしれません。
夏のあいだに、更地がふえました。
そこに、昔ながらの
庭木にかこまれた木造家屋があったのは確かですが、
もはや元の姿を思いだせず。
塀と常緑の樹々にかこまれて、奥まで見通せませんでしたが、
そういう庭に、たぶん金木犀もあったのでしょう。
わたしは国分寺崖線を日常的に越えて駅へ向かう地域で
育ちましたので、
その崖地の変遷をながめてきたわけですが、
つい先日、
「以前は古いお宅があった」はずの崖地が、更地になっていました。
特徴的な赤土がむきだしになっているので目立ちます。
しかも、平らなところがひとつもない。
いったいどこに家屋が建っていたのか想像もつきません。
バス通りに面していました。
でも、バスの車窓から見えたのは、
道路に面した古い門と、
樹木の茂った高台へ伸びる錆びた螺旋階段だけです。
どちらも長らく使われた気配はなく、
出入口はべつにあったと思われます。
更地になってみれば、
斜面ではなく、まさに崖。かぎりなく垂直に近い。
実際、ここは崖地なのですから当然です。
それでも、もう駅は目の前ですので、
この土地も活用されるのでしょう。
そのとなり駅ですが、
新しくできたマンションのショッピングモールに
冷凍食品の専門店〈ピカール〉が入りました。
買い物回数を減らしたいけれど、
野菜は食べたい、というわたしには
たいへんありがたい大袋の野菜ミックス。
冷凍クロワッサンも絶品です。
いままで電子レンジ機能しか使っていなかった
オーブンレンジを、ようやく活用しました!
最後の「巻き」の部分が
寝ぐせのように立ちあがっているのはご愛敬です。