
すもも祭のからす団扇です。
疫病退散の文字が、この夏はとりわけありがたし。
ふだんの祭では、参道にすもも売りや屋台がならび、
にぎやかなのですが、
今年はひっそりとお参りする場となりました。
しかし、この数日後
ご存じのとおり、
自転車ロードレースの選手たちが
巫女さんたちに見送られてこの門のまえを通過してゆきました。

六日前までツール・ド・フランスの黄色いジャージを競っていた
選手たちが、そっくりお引越ししてきたかのような
豪華なレース。
90年代のはじめまで、
ツール・ド・フランスのテレビ観戦を
愉しんでいました。
ほぼ同世代の選手たちが走った時代です。
そのころNHKBSもコンテンツが不足していたらしく
全行程をたっぷり放送してくれました。
フランス革命200年祭にからむ、
あのシャンゼリゼでのローラン・フィニョン選手(仏)と
グレッグ・レモン選手(米)の闘いが忘れられません。
その後、仕事に追われたことや、
中継の放送時間が減ったことなどもあり、
すっかりご無沙汰しておりました。
このたび東京五輪のロードレースに挑んだ選手たちの多くは二十代。
彼らはあのころ生まれていなかった。
時を感じます。
そうして、知りませんでした。
フィニョン選手は、亡くなられて十年以上もたつのですね。
あの学者のような風貌と、
わたしの周辺でなぜか人気だった
後ろ姿を思いだします。
五輪のほかの競技には目もくれず、
ひたすら自転車ロードレース決勝を見逃がし配信で
ちょっとずつ愉しんでいます。
仕事のあいまに。
スタート地点はまるっきりの地元。
沿道はかなり密だったとの報道がありました。
わたしはちゃんと巣ごもり。
歩いて行かれる距離だったのですが、我慢しました。
空撮と、バイク併走を駆使した
海外メディアのカメラワークを堪能しています。
切りとられる風景が新鮮。
毎日見ている景色なのに、別世界。
上空からの映像には、なにやら素敵なガーデンが!
円形広場や通路があるにはあるけれど、
植栽のようすは何様式なのか見当もつかず、
無秩序の妙というか、野放図の美というか、
粗野ながらも、不思議な穏やかさがあり……
多磨霊園でした。
山中湖の白鳥の船も
湖面を泳ぐ白鳥とともに映りこんで
バードウオッチャーの話題をさらっております。
富士山麓周回コースの景色、
もちろん富士山があれば、ここがどこかなど
迷いませんが、
富士山が画面からはずれるときは、
どこか見知らぬ国のようでした。
いつもの景色も、トリミングでこんなに変わるのですね。
男子の決勝を堪能したあとは、
ひきつづき女子の決勝も愉しみます。
(一部で)話題のトライアスロンも。