愛しのスワンスタビロmicro8000。携帯カメラの画素数がふえたので、8000ときざまれた文字も、しっぽのスワンもくっきり。この鉛筆がもう買えないとは!使いこんで、小さくなってしまったのが、いっそう愛らしく。いつか、復活してほしいなぁ。
『少年アリス』の原稿を、ただいま鉛筆で手直し中。自分の書いたものを読み返すことはほとんどないので(文庫にするさい、再読している)、おどろくやら、めずらしいやら、の連続。
ひとつ、重大な誤植を発見した。これを二十年も放置していたとは!!!
単行本の58ページ(文庫版では62ページ)どちらも真ん中あたりの行。
”教師が片手に細く絞った蝙蝠傘を持ち、片手に黒い皮靴を提げて浮かんでいる”
・・・皮靴(かわぐつ)を提げて?? のわけはない。これ、皮鞄(かわかばん)のまちがい。なんてことだ!これまでどの校正者も指摘してくれなかったとは。みなさんも、「この教師は、なんで靴を持ち歩くのかなあ?」と思っていらしたのでは? そのあとで、鞄のなかにブリキの月をしまってクレーン車の荷物いれに・・・って展開なのに。
こういうことがあるから、ほうとうは丹念に読みかえさなくてはいけないけど。過去に書いたものは、手直しできないのに、読めば直したくなるから、「なかったこと」にするのがいちばん。今回は、「書き直し」がテーマなので、あらたな気持ちで大々的に朱筆(と呼ぶが、鉛筆なので、真っ黒になっている)をいれている。