
これはヨックモックの昔の菓子缶。高校時代に、デッサンの授業の筆箱がわりに使っていた。朝のうちに鉛筆をやまほど削って、この缶に用意する。それを持って、画室へ。同級生も、たいていヨックモック筆箱の愛用者だった。
モノトーンの配色だったからこそウケた。シック&エレガンスにめざめる年頃でもある。むろん、この缶の本来の主役であるドゥーブルショコラオレも、人気があった。ラングドシャの口あたりは、ほかのブランドのクッキーでは味わえないものだった。
ただ、香りとチョコレートにすこしクセがあるので、苦手な味だと云う人もいた。
現在のヨックモック缶のパステル調の色彩は、いかにも日本的。高校から美術を学ぼうとするような学生の、気をひくものではない。後輩たちが筆箱にしているという話はきかない。
けれどもできるかぎり国産の原材料でつくる、というポリシーを持つヨックモックなので、リニューアルされた缶は、そのあらわれなのだと解釈している。
ただ、デザイン、色彩ともにすぐれていた、かつての缶が消えたのは、なんとも惜しい(ときおり、復刻しているようだが)。
夏季限定のドゥーブルショコラブランの缶のヴァイオレットグレーなどは、ほんとうにセンスがよかった。
ドゥーブルシリーズの味わいもすこし変わったように思う。チョコレートのクセが弱まった。わたしは、サブレ&クリームサンドが好きなので、ドゥーブルクレームやフレンチショコラが、最近のお気にいりだ。