
庭で収穫したミョウガを甘酢漬けにしたもの。夏のミョウガは収穫しなかったので(庭にしゃがみこむ閑がなく)、青々と葉を茂らせていた。
秋ミョウガの季節。たまたま訪れた母が見つけて、掘りだしてくれた。ふたつだけ収穫。ほうっておいても育つので、家庭菜園の植物としては、たいへん手間いらず。ただ、わたしの場合は、収穫をわすれることが多く、すくすくと育ててしまうのである。
文庫『箪笥のなか』が発売になった。このたびも、大幅に用字を変更し、漢字が少なくなっている。装飾を廃し、骨格(わたしの場合は、イメージ)を強化する、というのが近ごろの方針なので、それにそって手直しした。
解説をおひきうけくださった米光一成氏には、緻密な読み込みによる、テキストをお寄せいただき、ありがたいかぎりだ。
『箪笥のなか』を書いていた当時の、わた自身のイメージの流れを再発見するような思いがした(すこし、うろたえつつ)。
『箪笥のなか』のつぎに、『となりの姉妹』を書き、これでだいたい「意識の流れ」を追った90年代のシステムによる小説が終わった。
つぎのシステムを試行錯誤するうちに、21世紀も7年目をむかえ、のこり3カ月あまりとなっている。改造版『少年アリス』を書いたことで、このさきのシステムが見えてきたように思う。
くわしくは、11月刊行予定の改造版『少年アリス』に投げ込み付録として一文を載せるので、ご一読いただければ、さいわい。