
これは、三角形の1辺が3センチくらいある大粒。このくらいの大きさになると、繊細な印象の螢石でも、持ち重りがする。
ひかりにゆらぐ緑に、夏の木かげや、こもれびに透ける池の水面などが見えてくる石である。……あ、白い雲が浮かんでいる、などと思いつつ。
・・・とそんなふうに、このたび仕入れた鉱物のリストをながめ、コメントをつけているのだが、そこで気づいたのは、石の景色を連想するわたし自身の意識が、つねに更新されていること。
タイトルシリーズと銘うったので、それぞれの作品に登場した石を中心に仕入れて来たのだが、コメントを書くさいには、石そのものにたいする現時点での印象がすべりこむ。
すると、うかつなことに、すべて最新作とシンクロしてしまうのだ。
たとえば、柘榴石ならば「野ばら」であったはずが、「左近の桜」になってしまい、天河石といえば「天体議会」だ、とすぐに結びつくのに、石をまえにして意識するのは、「カルトローレ」や「メルカトル」であるという具合。
鉱物といえども、湿気や酸化の影響をうける。意識という流動的なものが、そのときどきによって姿を変えたところで、おどろくことでもない。
というわけで、タイトルシリーズと称しつつも、ほとんどの石が「左近の桜」や「カルトローレ」や「メルカトル」、改造版「少年アリス」、「お菓子手帖」といった最新作に取りこまれつつある。
石の特徴をお伝えするためのコメントを完成させしだい、通販ページにアップするので、このブログですでにご紹介した石を「ぜひともほしい」というかたは、まめにチェックを。
アップが唐突なのは、管理者のせいではなく、わたしの原稿の進み具合の問題なので、ご容赦ねがいたい。