秋のバラは、そろそろ紅葉がはじまった樹木を背景にながめるのが好きだけれど、今年はまだ緑は青々として夏の気配。気温も高く、秋のバラにとってもありがたくないらしく、「おつかれ」のかんじ。
それに、平日なのにたいへんなにぎわいで、全景カットを撮影することができず(人だらけになってしまうため)。
隣接する深大寺周辺も、のどかな参道風景と、おいしく、少しひなびたそばの店が風情をかもしていた土地なのに、もはや完全なる観光地。
そば処は、みんなこぎれいな建物で、どの店も大混雑(団塊の世代とおぼしき夫婦連れが目立つ)。
湧水のせせらぎの音を聞きつつ、のんびり待って、こもれびの落ちる座敷でそばを食したのは、もはや遠い昔ばなし。それを二十代のころにたのしんでいた、わたしや友人もどうかしていたかもしれないけれど。
三鷹から深大寺にむかうバスの沿道も、農家ばかりだったころ。植物園のローズガーデンも平日は静かで、人影もまばら。ポットのコーヒーとおやつを持参で、バラと紅葉を愛でつつ、秋のピクニックをたのしんだものだった。